鉄フライパンや中華鍋は、「洗剤を使うと油膜が落ちて焦げ付きやサビの原因になる」とよく言われます。しかし、NHKの人気番組「ためしてガッテン」では、プロの厨房で実際に洗剤を使っても問題なく使える秘密が明かされました。本記事では、「ガッテン流鉄フライパンに洗剤はNGじゃない【洗ってOKな理由とツルツルにするコツ】」というテーマで、洗剤使用の背景と鉄フライパンをツルツルに保つためのポイントについて詳しく解説します。
重合した油膜の秘密
油の重合とは何か
調理中に発生する高温状態では、油の分子が互いに結びつき、ポリマーと呼ばれる巨大な分子を形成します。この状態を「重合」といいます。重合が進むと、油は粘着性や耐久性を増し、フライパンの表面にしっかりとした保護膜(油膜)を作ります。この油膜が、焦げ付き防止やサビ予防に大きく役立っているのです。
洗剤を使っても大丈夫な理由
通常「洗剤を使うと良くない」とされるのは、油膜が剥がれてしまうから。しかし、鉄フライパンで形成された重合した油膜はとても強固なため、洗剤で軽く洗っただけでは簡単に落とせません。プロの料理人が洗剤で洗い、そのまま保管しても問題なく使用できるのは、この重合油膜のおかげなのです。
家庭での鉄フライパン使用時のコツ
シーズニングの重要性
家庭で鉄フライパンを長持ちさせるためには、最初の「シーズニング(焼き込み)」が非常に大切です。フライパンを中火でしっかり温め、食材の残り油やサラダ油を十分に焼き込むことで、黒錆と呼ばれる酸化皮膜が形成されます。これにより、その後の調理でさらに重合油膜が育ち、洗剤で軽く洗っても焦げ付きにくくなります。
洗剤使用時の注意点
・洗剤はあくまで「軽く」使うことがポイントです。
・強力洗剤やタワシなどでゴシゴシすると、せっかくの油膜が剥がれてしまい、焦げ付きやサビの原因に。
・調理後は、再加熱して水分を飛ばし、軽く油を塗っておくと安心です。
ツルツル鉄フライパンを作るプロのテクニック
加熱・油投入・冷却の基本サイクル
鉄フライパンをくっつかないツルツルな状態に保つためには、「加熱→油投入→冷却」というプロセスが鍵です。以下に基本的な手順を整理します。
| 手順 | ポイント |
|---|---|
| 1. フライパンを中火で温める | フライパン全体が均一に温まるようにする |
| 2. 油を注ぎ、煙が出るまで加熱 | 油が酸化して粘りが出る瞬間を見逃さない |
| 3. 火を止め、油をフライパン全体に回す | 油が均一に広がるようにする |
| 4. 自然に冷ます | 急いで冷やすと油膜が十分に定着しない |
このプロセスによってできた油膜が、次の加熱時にさらに重合し、使うたびにツルツルのコーティングへと成長していきます。
調理時のポイント
・一度しっかり冷ましてから食材を入れる
フライパンがまだ熱いうちに食材を入れてしまうと、油膜が固まっていない状態で調理してしまうため、くっつきやすくなります。
・再加熱後、調理用の油を別に入れる
コーティング用の油と料理用の油は分けて考えると、油膜へのダメージを避けることができます。
お手入れと保管方法
・使用後は基本的に水洗いでOKです。
・焦げ付きが気になる場合は、金属製のヘラで軽くこそげ落とし、金たわしで洗うのがおすすめです。
・短期間使う場合は再加熱後にそのまま放置しても問題ありませんが、使用頻度が低い場合は薄く油を塗って保管するとサビを防止できます。
よくある質問とその回答
Q1: 洗剤でガシガシ洗っても大丈夫ですか?
A1: 洗剤はあくまで「軽く」使うことが前提です。強力洗剤やタワシでこすると、せっかくの油膜が損なわれ、焦げ付きやサビの原因になりかねません。
Q2: 洗った後、乾かさないとサビませんか?
A2: 基本的には、加熱でしっかり水分を飛ばし油膜が整っていれば、直後に乾かさなくても大丈夫です。ただし、初期段階や油膜が十分に育っていない場合は、乾燥させた後に軽く油を塗ると安心です。
Q3: 重合した油膜を早く作る方法は?
A3: 高温で調理することが一番の近道です。揚げ物や炒め物など、煙が出るくらいまで加熱するメニューを多用すると、自然と油膜は早く育ちます。
まとめ
「鉄フライパンは洗剤を使うとダメ」という常識を覆すためには、重合した油膜の役割とその強固なコーティング効果を理解することが重要です。プロの厨房でも実践されている通り、適度に洗剤を使って軽く洗うことで、焦げ付きやサビを防ぐ効果は十分に期待できます。そして、ツルツルの鉄フライパンを作るには、シーズニングや加熱・油投入・冷却のサイクルを正しく実施することが決め手となります。これらのポイントを押さえ、家庭でも手軽に長持ちする鉄フライパンを楽しんでみてください。
